日中友好交流都市中学生卓球交歓大会参戦記-part2
2012.09.03 up

「中国・北京での日中友好卓球交歓大会に同行して」
酒田卓球協会会長 宇野 直之

 日中国交正常化40周年を記念する両国共同開催の本行事は、中国北京市で8月16日から21日迄の6日間の日程で行われた。
 今回酒田市からの派遣団は、兵藤芳勝教育部長を団長として今野紀生秘書長、コーチの宇野と中学生選手2名、総勢5名での参加となった。
 選手は酒田六中3年生の佐藤悠樹くんと酒田二中1年生の梅津美唯さんの両名が酒田市の中学生代表選手として大会に参加した。
また中国側の選手は、酒田市と友好都市の絆を結んでいる河北省唐山市の中学生代表として王(おう)くんと舒(じょ)さんの2名が出場、合計4名の中学生で『酒田・唐山チーム』を結成し、他のチームとの友好交歓試合を行なった。

 中学生卓球交歓大会は、開幕式、表彰式を含め翌17日から4日間にわたり、北京の「中国オリンピックセンター体育館」開催された。
予選リーグは4チームで実施され、我が『酒田・唐山チーム』は第2位で決勝トーナメントに進出したが、予選リーグ1位の『廊坊(河北省)・松本(長野県)チーム』は、最終的に決勝トーナメントでも優勝した手ごわいチームで、そのチームに2対3の最終戦まで持ち込んでの僅少差による予選リーグ2位であった。
 決勝トーナメントでは、我がチームの王(おう)選手が急遽棄権せざるを得ない状況となり、準優勝した『楽山(四川省)・市川(千葉県)チーム』から1対3で惜敗し、あと一歩のところで3位入賞を逃した。「友好交流の試合」とはいえ選手たちにとっては少々残念だったろうと思う。
 しかしながら中国各地の強い選手たちとしのぎを削り、期待以上の成果を見せてくれた「佐藤・梅津両選手」に対しては、中国側役員からの高い評価も頂いたし、何よりも本人たちにとって大きな自信や今後への飛躍のステップとなった素晴らしい試合内容であった事は間違いない。

 何かと騒がしい両国間の政治動向の中ではあったが、今回私どもにとって最重要課題であった交歓卓球大会を通じての『酒田市・唐山市の友好交流』は、所期の目標を果たせたと思うし、何よりも唐山市の役員の方々と今後につながる両市親睦交流の実質的な絆を結べた良い機会だったと感じている。
 中学生選手たちにとっても、何もかもが初体験で緊張の連続だったと思うが、交歓試合は無論、交流会やその他すべてを含め、得難い貴重な経験をさせて頂いたと思う。
 試合では中国人コーチから中国語による「ベンチコーチ」を受けながら見事な試合を展開してくれたこと、食べ慣れない中国の食事の合間に訪れた日本料理店での両君の喜々とした顔、数々の日中交流会への参加、試合の終了後に出かけた運動用品街での卓球用具のショッピング、万里の長城への半日ツアー、山形県南陽市の中学生選手とのホテル生活等々…、選手たちが沢山の思い出を胸に、元気に帰国できたことを喜びたい。
 旅の終わりに当たっての佐藤・梅津両選手の率直な感想には、一同から笑顔もこぼれた。
 『 “食事(中国料理)以外”はすべてが最高でした。この大会に参加できて本当に良かったし、忘れられない思い出になりました。』
このことばを聞き私ども同行役員たちも、みんなが無事に帰国できたことを含め、ホッと胸を撫で下ろしている。

 最後になるが、選手たちが大変お世話頂いた兵藤団長さん、今野秘書長さんに対してはもとより、これまでの長期間、細心のご準備やご配慮を頂いた酒田市当局の関係各位には、改めて深甚なる謝意を表したい。